DIALux evoとは?プロの照明計画を支える本格シミュレーションツール

照明デザインにこだわりたいなら、ただカタログを眺めて器具を選ぶだけでは不十分です。
「実際に設置したとき、どのように空間が見えるのか?」
「照度や明るさのムラはないか?」
「眩しさやグレアは適正か?」
こうした疑問を解消するために役立つのが**DIALux evo(ダイアルクス エヴォ)**です。

DIALux evoは、ドイツのDIAL社が開発・提供している無料の照明シミュレーションソフトウェアで、世界中の照明デザイナーや設計事務所、施工会社など68万人以上のプロが愛用しています。住宅・店舗・オフィス・工場・道路・公共施設・屋外空間まで、あらゆるプロジェクトに対応し、プランニングからプレゼン資料の作成まで一貫してサポートしてくれます。

 

DIALux evoが選ばれる理由

DIALux evoの最大の魅力は、照明計画を「見える化」して検証・改善できる点です。

従来の平面図だけではわかりにくい光の当たり方や陰影、明るさのばらつきが、リアルな3Dモデルで直感的に確認できます。さらに、日中の自然光(daylight)を取り入れたシーンや、時間帯ごとの光の変化もシミュレーション可能です。

日本語を含む25言語に対応しており、初めての人でも安心して使い始められます。

「DIALux evoは、設計段階での失敗を減らし、完成後のイメージを限りなく正確に近づけるための強力なツールです。ぜひ、あなたの照明計画にも取り入れてみてください。」

 

 

主な機能と特徴

建物・空間設計

  • 敷地、建物、部屋、屋根、フロア、天井、開口部(窓・ドア)などを自由にモデリング
  • 柱や家具を配置し、空間を具体的に再現
  • CADデータ(DWG/DXF)をインポートし、既存の設計図を活用

設計中に部屋の寸法や構造を変えても、リアルタイムで照明計画に反映されるため、設計とシミュレーションを同時進行できます。


照明計画

  • 照明器具を3D空間に配置
  • IES、Eulumdatなどの配光データを取り込んで正確な光を再現
  • シーンを複数作成して明るさや点灯パターンを比較
  • グループや調光設定で「演出効果」をシミュレーション

計算と評価

DIALux evoは光学計算エンジンが非常に高性能です。
主な計算内容:

  • 照度(lx)
  • 輝度(cd/㎡)
  • UGR(統一グレア評価)
  • GR(グレア評価)
  • 円筒・半円筒・半球照度
  • 昼光率

結果はフォルスカラー(疑似カラー表示)やアイソライン(等照度線)で視覚化され、基準値と比較する「トラフィックライトシステム」で適合状況がすぐに分かります。


ドキュメント出力

プロジェクトで作成したデータは、さまざまな形式で出力可能です。

  • 計算結果や器具リスト、配光図をPDF・DWG・画像形式で出力
  • HDR画像を作成してリアルなプレゼンテーション資料を作成
  • 独自テンプレートを保存し、複数案件で再利用

完成イメージや詳細資料を顧客や施工関係者に共有しやすくなります。


動作環境とインストール

DIALux evoは完全無料で公式サイトからダウンロードできます。

推奨動作環境(2025年最新)

  • OS:Windows 10/11(64bit推奨)
  • CPU:SSE2サポート
  • メモリ:4GB以上(8GB推奨)
  • グラフィック:OpenGL3.2以上(1GB以上のVRAM)
  • 画面解像度:1920×1080以上

古い32bit版はDIALux 4プロジェクトの互換用。
大規模プロジェクトや高解像度画像の生成には64bit版の利用が推奨されます。


操作の基本フロー

DIALux evoは「モード」と「ツール」を切り替えながら作業します。

  1. 空間を作る
    • 敷地・建物・部屋の形を定義
  2. オブジェクト配置
    • 家具やオブジェクトで空間を再現
  3. 材質・色の設定
    • 壁・床・天井の色・反射率を調整
  4. 照明器具を配置
    • メーカー器具データを取り込み配置
  5. シミュレーション計算
    • 各種照度・輝度を計算し評価
  6. 出力・ドキュメント作成
    • 結果や画像を資料として保存

照明器具データの取り込み

DIALux evoの強力な機能のひとつが器具データの豊富さです。

  • 400以上のメーカーの公式カタログに対応
  • LUMsearch(世界中の50万以上の器具を検索)
  • 各種IES/Eulumdatデータを直接インポート

計算結果の評価

計算後、結果は「トラフィックライト」で達成度が即座に可視化。

  • 緑:基準達成
  • 赤:未達

さらにアイソラインやフォルスカラーを使えば、空間の明暗を直感的に把握できます。

UGR(統一グレア評価)も自動計算され、目に優しい快適な空間を計画できます。


出力形式とドキュメント

  • PDF:プレゼン資料・報告書
  • DWG:CADデータ
  • HDR/EXR:リアルイメージ
  • 画像(PNG/JPG):提案用イメージ

オリジナルテンプレートを作成すれば、毎回同じレイアウトで効率的に出力できます。


まとめ

DIALux evoは、照明設計の「見える化」を支える世界標準ツールです。
無料とは思えないほど多機能で、プロフェッショナルのニーズに応えられる充実した性能を誇ります。

これから照明デザインを学びたい方、プレゼン資料をより魅力的にしたい方、本格的にシミュレーションを行いたい方にとって、DIALux evoは強力な味方になるでしょう。


興味がある方は、ぜひ公式サイトからダウンロードして実際に体験してみてください。
空間に光をデザインする面白さがきっと見えてきます。