【DIALux evoの使い方】UGR(統一グレア評価値)の計算方法と注意点
照明計画において、快適性を左右する重要な要素の一つが「グレア(まぶしさ)」です。
特にオフィスなど作業を行う空間では、光源からの直接的なまぶしさを評価・制御することが求められます。
この記事では、DIALux evoを使ってUGR(Unified Glare Rating)の計算を行う手順を詳しく解説します。
目次
UGRとは?
UGRは「統一グレア評価値」と呼ばれ、10〜30の数値でまぶしさの度合いを評価します。
数値が低いほど、視環境は快適です。
例:
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UGR10:ほぼまぶしさなし
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UGR19:オフィスの標準許容値
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UGR28以上:強い不快感
DIALux evoでは、シミュレーションでこの数値を確認し、設計の適合性を判断できます。
DIALux evoでUGRを計算する手順
以下は代表的な手順の流れです。
1. 計算オブジェクトを作成する
まず、「計算オブジェクトモジュール」に移動し、四角形の計算面を作成します。
ポイント
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オブジェクトに分かりやすい名前を付ける(例:UGRサーフェス)
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観察点の高さを設定する
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座位:1.2m
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立位:1.7m
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この設定は、計算結果の精度に直結します。
2. UGRモードを選択する
計算オブジェクトには、標準で「垂直照度の計算」が設定されています。
UGRを計算する場合は、**UGRアイコン(四角とメガネのマーク)**を選択します。
これにより、まぶしさの評価モードが有効になります。
3. 計算を実行する
「クイック計算」や「標準計算」を行うと、UGRサーフェスに最小値・最大値が表示されます。
結果例
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最小値:10.2
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最大値:16.5(規格値19以下で合格)
4. 計算結果を確認する
計算結果はドキュメントモードにまとめられます。
概要レポート
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作業面の照度
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視作業領域
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UGRの最大値
詳細レポート
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各方向のまぶしさの値
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サーフェスの高さ
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観察方向の分布
これらの情報をもとに、照明計画が規格に適合しているか確認しましょう。
部屋の反射率がUGRに与える影響
UGRは照明器具だけでなく、部屋の色や反射率にも影響を受けます。
例えば、白い壁から黒い壁(反射率5%)に変更すると、最大UGRが大幅に上昇します。
これにより、同じ器具でも視覚的な不快感が強まります。
まとめ
UGRの計算は、以下のポイントを意識することが重要です。
✅ 計算面の高さを適切に設定する
✅ 照明器具と部屋の反射率を考慮する
✅ 結果をドキュメントで詳細に確認する
✅ 規格値(オフィスはUGR19以下)に適合するか必ず確認する
DIALux evoなら、これらの工程を正確にシミュレーションできます。
ぜひ実際に計算し、最適な照明計画に役立ててください。
必要であれば、画面キャプチャや計算設定の詳細も別途ご案内します。
お気軽にお問い合わせください。