DIALux evoの計算オブジェクトについて
**計算オブジェクト(Calculation Objects)**は、DIALux evoの中でもとても自由度が高い機能です。
ひとことで言うと、
「任意の場所・高さ・方向に面や点を置いて照明計算をするツール」
です。
以下、わかりやすく整理しますね。
目次
🌟 計算オブジェクトとは?
✅ 作業面だけでは足りない評価をしたいときに使う
✅ 自由に置ける
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面(サーフェス)
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点(ポイント)
✅ 面や点ごとに計算項目を選べる
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照度(水平・垂直)
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輝度
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UGR(不快グレア)
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GR(屋外グレア)
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錯乱度
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その他
🟢 計算オブジェクトでできること
✔️ 例:壁の垂直照度
→ 壁に垂直面を置く
✔️ 例:床面の特定の点の照度
→ 計算点を置く
✔️ 例:UGRを詳細に確認
→ UGR計算面・点を置く
✔️ 例:棚の上の水平面
→ 面を置く
🟡 計算オブジェクトの種類
DIALux evoの計算オブジェクトには「アクティブな計算オブジェクト」として選べる3つの種類があります。
内容 | 種類 |
---|---|
任意の大きさ・方向の面を置いて面上の照度・輝度を計算する。面全体の分布や平均値を見たい | 計算面 |
ある1点だけの照度を知りたい | 計算点 |
視線方向に対するグレアを評価したい | カメラ |
1️⃣ 計算面 (Calculation Surface)
✅ 一番よく使うタイプ
✅ 面全体で照度や輝度を計算する
用途例:
-
壁面の垂直照度
-
床や机の水平照度
-
特定範囲の均斉度
特徴:
-
面積を持つ「計算用の仮想の面」
-
結果は面全体にグリッド状で分布表示
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面の向き(水平・垂直・任意)を設定可能
2️⃣ 計算点 (Calculation Point)
✅ 単一の点で計算する
用途例:
-
ピンポイントの照度確認
-
スポットライト直下の照度を確認
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特定の1点のUGR
特徴:
-
面ではなく1つの点のみ
-
結果は数値だけ(分布はなし)
-
照度・輝度などを特定位置だけ評価
3️⃣ カメラ (Camera)
✅ 視点方向を定義して評価する
用途例:
-
UGR(まぶしさ)の評価(視点方向に対するグレア計算)
-
視界から見える明るさの確認
特徴:
-
計算面や点ではなく「視線方向の仮想カメラ」を置く
-
観測者がどの方向を見ているかを指定して評価
-
UGRなどの評価に必須
-
視点からの擬似カラー表示などもできる
選び方の目安
何を評価したい? | 使うもの |
---|---|
面全体の分布や平均値を見たい | 計算面 |
ある1点だけの照度を知りたい | 計算点 |
視線方向に対するグレアを評価したい | カメラ |
🟣 具体的な操作の流れ
ここでは計算面の例を説明します。
✅ 計算オブジェクトの作成手順
1️⃣ モード切替
-
上部メニューで
計算オブジェクトモード(Calculation Objects)を選ぶ
2️⃣ ツール選択
-
画面左で
計算面(Calculation Surface)を選ぶ
3️⃣ 配置方法を選ぶ
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矩形
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ポリゴン
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円
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線
-
点
(用途に応じて選んでOK)
4️⃣ CAD画面で描く
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マウスで範囲を指定
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終了は右クリックで「ポリゴンを閉じる」
5️⃣ プロパティ設定
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面の高さ(例:床上0.8m)
-
面の方向(水平・垂直・自由)
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計算項目(照度/輝度/UGR/GRなど)
6️⃣ 計算開始
-
上部の「計算」ボタンで実行
✅ 計算結果の確認
-
結果ツール(画面上部の結果タブ)
-
ドキュメント(PDF/印刷)
に詳細が出ます。
📝 使う場面の具体例
こんなとき計算オブジェクトが大活躍します👇
🔸 壁面照度
→ 壁に垂直面を置く
🔸 机の上だけ照度確認
→ 作業面以外の面を追加
🔸 UGRの詳細評価
→ UGR用の計算面を置く
🔸 棚の上の水平面照度
→ 計算面で任意高さ設定
🔸 ある1点だけの照度
→ 計算点を置く
実務のイメージ
たとえばオフィス設計の場合:
✅ 壁の明るさ → 計算面(垂直)
✅ デスク中央の明るさ → 計算点
✅ 座っている人の視線のまぶしさ評価 → カメラ
このように3つを組み合わせて使うことで、より正確で多角的な評価ができます。
💡 計算面と作業面・作業範囲の違い
用語 | 特徴 |
---|---|
作業面 | 部屋の基準面(基本照度評価用) |
作業範囲(視作業域) | 作業域・周辺域・背景域をまとめて規格準拠評価 |
計算オブジェクト | 自由に置ける計算面・点(何個でもOK) |
✨ まとめ
計算オブジェクトは、
「ここを自由に評価したい」
というときに使う万能ツールです。