DIALux evoの作業面について
目次
🟢 作業面 (Working Plane)
作業面は、DIALux evoで照度計算を行う基準面のことを指します。
一般的には、デスクや床など、照度を評価したい面を設定します。
一番基本になる計算面
✅ 部屋ごとに1つ自動で設定される
✅ 照度を評価する「標準的な基準面」
✅ 高さを決める(例:机上面なら0.75m、床なら0m)
用途:
-
平均照度、均斉度を計算
-
JIS・ENの基準に沿った基本評価
例:
オフィス→机の上の面(高さ0.75m)
廊下→床面(高さ0m)
**JIS Z9110(事務所の照明基準)は、日本のオフィス照明設計の基準で、欧州EN12464-1とも関連が深い規格です。この規格で重要なのは単に平均照度だけでなく、「照度の均斉度(ばらつきの少なさ)」や「周辺比(作業域とその周辺との明るさの差)」**が求められている点です。
以下、JIS Z9110:2010(最新版は改訂版が予定されていますが内容は基本的に大きくは変わっていません)を基にポイントを整理します。
JIS Z9110で求められる主な照明性能
① 作業面の平均照度
用途によって基準値が決まります。
例:
-
一般事務:500 lx
-
精密作業:750 lx以上
-
書類保管室:200 lx
② 照度の均斉度(Uniformity)
作業面内の照度ムラがどの程度許されるか
均斉度は以下2つで表します。
-
均斉度 (U0)
U0=最低照度平均照度U0 = \frac{最低照度}{平均照度}
→ 通常 0.7以上が推奨される場合が多い。
-
均斉度 (U1)
U1=最低照度最大照度U1 = \frac{最低照度}{最大照度}
→ 補足的に参考とする場合あり。
③ 周辺比(周辺域照度比)
作業域と周辺域の照度の比率
周辺比=周辺域の平均照度作業域の平均照度周辺比 = \frac{周辺域の平均照度}{作業域の平均照度}
-
推奨値:0.5以上(作業域の半分以上の明るさを周辺に確保)
-
例:作業面500 lxなら周辺面も250 lx以上が理想
④ 背景域
作業域・周辺域以外の領域の最低照度も考慮
-
最低:100 lx程度(通路や移動の安全確保)
具体的な規定の例
たとえば、一般事務の机で求められる条件(参考値)は次のようになります。
たとえば、一般事務の机で求められる条件(参考値)は次のようになります。
項目 | 推奨値 |
---|---|
作業面平均照度 | 500 lx |
均斉度 U0 | 0.7以上 |
周辺比 | 0.5以上(つまり250 lx以上) |
DIALux evoとの関係
DIALux evoでは「作業範囲(視作業域)」を定義すると、
✅ 作業域
✅ 周辺域
✅ 背景域
を自動的に作成して計算し、
均斉度や周辺比も結果に表示されます。
実務ポイント
JISでは「これ以下はだめ」という最低基準というより、「推奨値(推奨基準)」です。
実際には:
-
ビジュアルタスクの難易度
-
眼の年齢層
-
作業時間の長さ
などを考慮し、より高い照度や均斉度を目標にするケースもあります。