DIALux evo 切り抜きツールの使い方

今回は、DIALux evoで空間に開口部や特殊な形状を作成するために使用する「切り抜きツール」の使い方を説明します..。このツールは、吹き抜けの作成や間接照明の設置など、様々な照明デザインの可能性を広げる、非常に便利な機能です。

切り抜きツールへのアクセス

まず、DIALux evoの「切り抜きツール」にアクセスする方法から始めましょう。
DIALux evoを開き、上部のタブにある7つのモードの中から、建物の作成や編集を行う「構造」モードを選択します。
左側のツールバーに、赤枠で囲まれた直方体に縦長の切り込みが入ったような、「切り抜き」のアイコンがありますので、これを選択します。
切り抜きツールを選択すると、すでに設置してある切り抜きは緑色で表示されます。

 

基本的な切り抜きの作成

それでは、基本的な切り抜きを作成してみましょう。このツールは、天井や床などの面に開口部を作成するために使用されます。
「切り抜き」ツールを選択すると、長方形、多角形、円形など、いくつかの切り抜き方法が表示されます。まずは、最もシンプルな「長方形の切り抜き」(短形の切り抜き)を選びます。

3Dビューで、切り抜きを作成したい面をクリックして始点を決め、そのままドラッグして長方形の形状を描画します。ここでは寸法などは気にせず、ざっくりと四角形を作成します。そのまま、いま作成した切り抜きを選択した状態で、対応する2Dビューである、平面図ビューか立面図ビューに切り替えます。(平面図ビューに切り替えるには、画面上部のタブから平面図ビューのアイコンをクリックするか、ショートカットキーのコントロールと 5を使用します.)2Dビューで図面や指定された数値を頼りに位置や大きさなどを整えます。

ここまでのやり方としては、3Dビューで切り抜きを作成する面を確定させて、2Dビューで正確な寸法に仕上げる。というやり方です。

 

 

 

 

 

より複雑な形状の切り抜きツールを作成したい場合は、「多角形の切り抜き」を使用します。
「多角形の切り抜き」を選択し、目的の形状に沿って、マウスの左クリックで順番に点を配置していきます。
描画を終了するには、最初の点を再度クリックするか、右クリックしてコンテキストメニューから「ポリゴンを閉じる」を選択します。これにより、指定した多角形の形状で面が切り抜かれます。

 

切り抜きツールの応用例

切り抜きツールは、シンプルな開口部の作成だけでなく、様々な照明デザインや建築表現に応用できます。

間接照明の作成

間接照明の一種であるコーニス照明を設置する場合、まず「構造」モードで「切り抜き」ツールを使い、照明器具を隠すためのスペースとして天井にカットアウトを作成します。
その後、「照明」モードに切り替えて、作成した切り抜き内にLEDテープライトのようなライン状の照明器具を配置します。これにより、光源が直接見えない柔らかな間接照明の効果を表現し、空間に広がりを与えることができます。

 

 

吹き抜けや床の開口部の作成

複数階の建物で吹き抜けを作成する場合や、床に階段などの大きな開口部を作る場合にも、このツールが不可欠です。
開口部を作成したいフロアの平面図に移動し、「切り抜き」ツールを使って、吹き抜けや階段の形状に合わせて床面を切り抜きます。

 

 

 

その他の応用

切り抜きツールは、プールの作成のように、床要素に特定の深さの切り抜きを作る場合にも活用できます。この際、切り抜きに「切り抜き深さ」を設定することで、その深さをコントロールすることが可能です。

切り込みの深さを設定していない場合は、その要素がすべて切り抜かれてしまいます。深さを設定するには、切込深さにチェックを入れて、数値で深さを指定します。

 

 

ヒントとコツ

作業をより効率的かつ正確に進めるためのヒントをいくつかご紹介します。

• 2Dビューでの正確な描画
切り抜きツールの形状や寸法を正確に描画するには、平面図ビューや立面図ビューのような(2Dビュー)で作業することが非常に重要です。補助ラインや、インポートしたCAD図面を活用することで、より精密な作業が可能になります。

• 3Dビューでの確認
作業中は随時3Dビューに切り替え、作成した切り抜きがどのように表示されているか、光の効果がどのように変化するかをリアルタイムで確認しましょう。

•切り抜きツールの編集
切り抜きツールは、家具などのオブジェクトと同じように移動や回転、拡大縮小ができます。これらを使って、切り抜きのサイズや位置を直感的に調整することができます。

• 切り抜ける対象物
切り抜きツールは、壁の一部を切り抜いたり、床に開口を開けるなど、構造物を切り抜くツールです。部屋エレメントも建物の構造の一部とみなされるため、切り抜きツールを使用することができます。
家具やオブジェクトは、構造物ではないため切り抜きツールを使用することはできません。

まとめ:

DIALux evoの切り抜きツールは、シンプルな操作で複雑な建築要素や魅力的な照明効果を実現できる、強力で汎用性の高い機能です。このツールをマスターして、よりリアルで説得力のある空間表現を可能にしましょう。

 

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